CTIシステム会社のM&Aの手法
CTIとはComputer Telephony Integrate System(電話とコンピュータの統合システム)の略称です。電話がかかってきた際に、電話の呼出音と共に顧客情報をコンピュータに表示させるものです。CTIシステムにはコールセンターなど受信向けの「インバウンド」、営業やテレアポ向けの「アウトバウンド」、そして両方に対応可能なものの3種類存在します。
以下ではCTIシステム会社をM&Aすることで得られるメリットと選ぶ時の注意点を述べます。
M&Aすることのメリット
CTIシステム会社をM&Aすることのメリットは3点あると考えます。
オペレーター対応のトラブルを防ぐ
例えば、自動音声によるトラブル応対があげられます。電話回線が込み合っている際や営業時間外の時間帯は、M&AしたCTIシステムが音声ガイドによる自動対応をしてくれます。
実際に、株式会社ツムラでは、顧客数・コール数の増加により、しばしば電話に対応できないこともあったようですが、CTIシステム導入後は話中率が5%以下へと改善されました。
オペレーター対応の質の向上
顧客からの電話着信と同時に、以前に注文した時のデータベースが表示されたり、お客様の自宅までの地図などを表示させることで配達場所や配達時間などを把握できるようです。実際に、株式会社日興電機製作所では、以下の問題が生じていました。
・電話時に注文ミスが生じる
・顧客情報の調べるのに時間がかかる
・新人などが自信を持った対応ができない
CTIシステム以下の効果があったようです
・顧客情報のデータベースを着信と同時に見ることで、ミスを減らす
・過去の情報から配達場所・配達時間を瞬時に把握できる
・情報データベースを活用することで、新人でも失礼のない対応ができる
コスト削減
CTIはコールセンターの人件費を大幅に削減します。着電と同時に顧客情報を移す画面があり、顧客情報の検索をスムーズにします。M&Aした相手先のCTIシステムを有効活用し、コールセンターを少ない人数で効率的に運営することが可能になります。実際にexciteブログを運営しているエキサイト株式会社ではCTIを導入した結果、通信コストや運営管理費などが大幅にダウンしたようです。
CTIシステム会社をM&Aする手法のポイント
以下の3点が最も重要だと考えます。
POINT01 必要な機能を明確にすること
5つの基本機能が存在するようです。CTIシステムにはコールセンターなど受信向けの「インバウンド」、営業やテレアポ向けの「アウトバウンド」、そして両方に対応可能なものの3種類存在します。インバウンド向けCTIシステムの機能は以下の5つになります。
<CTIシステムの主な機能(インバウンド対応)>
PBX機能 : 内外線の発着信や転送、保留、代理応答などをする
IVR機能 : 着信電話を自動音声で応対する
ACD機能 : 着信電話をオペレーターに自動に割り振る
スクリーンポップアップ機能 : 着信をオペレーターのPC上に表示
管理機能 : オペレーターの通信履歴などを管理者がモニタリング可能に
M&A時のコスト削減のためにも、自社に必要な機能は何なのかを明確にすべきです。事前に、他社の導入事例を調査するなどして、自社とのM&Aが効果的か確認するのもいいと思われます。
POINT02 他システムとの連携を想定する
連携可能かどうかが顧客満足度と相関しています。CTIシステムは他の様々なアプリケーションが活用できて初めて、顧客満足度を向上させるための有効な仕組みになります。
CRMシステムと連携し、詳細な顧客情報をPCに表示させることでより丁寧な顧客管理、顧客対応を実現できます。そのため、自社の既存導入システムと連携が可能か事前に確認すべきです
POINT03 サポート体制は万全か
対応スピードや対応スキルなど、サポートスキルが十分かどうかもCTIシステム会社のM&Aの際は重要です。前述の通り、CTIシステムはCRMシステムなどの他のアプリケーションとの連携が欠かせません。また、CTIソリューションの運用にあたっては、保留や転送といった電話交換機能を提供するPBXなど高度な情報通信技術が求められます。なので、事前にこれらのシステムのサポート・運用能力を持っているのか確認すべきです。
以上でCTIシステム会社とのM&Aのメリットと選び方を述べてきました。多くの会社が顧客接点や顧客関係の構築の場としてコールセンターなどの機能を持っています。コールセンターや電話対応の部署の効率化を図るためにも、CTI会社のM&Aを是非ご検討ください。